外断熱と北欧デザイン

2016年3月11日 (金)

モコハウスと大手ハウスメーカー

モコハウスと大手ハウスメーカとでは住宅としての性格を異にしますので、本来同じ土俵に乗ることはあまりないのですが、お客様の住宅に対するコンセプトがはっきりしていないのか時には大手ハウスメーカーさんと競合することがたまにあります。

そんなお客様は、会社のブランドというか安心感というかそんな形での比較をされます。
一般的に考えられる安心とは、大手だから将来に渡ってその会社は存続するはず、住宅に対する品質管理が行き届いているはず、またその家に何か欠陥があってもすぐに何とかしてくれるはず、等々がお客様が将来的に考える安心ではないかと想像できます。
そして、それらは決して間違いではないと思います。

確かに常識的に考えて大手企業は会社の継続に関する可能性は高いと言えます。ただ会社自体は事業を継続しても事業内容の変更はあるかも知れません。(因みに、日本中には規模は小さくとも創業何十年という会社・お店は大手企業の数より多くあると思います。)

また、品質管理に関してはもともとは昭和30年~47年に渡る高度成長期に、今までの工務店では安定的な住宅供給が追い着かなくなり、一定品質の住宅を大量生産することを目的として作られたのですから、それはプレハブメーカーの最も得意とするところだろうと思います。
言い換えると大手プレハブメーカーは安定的に大量供給することを前提に作られた面があり、実際に住まうお客様との対話を重視しながら、その生活にまで踏み込んだきめ細かい建築計画が出来ない面があります。(各メーカー独自の工法や各メーカーが独自の仕様があるため) 勿論、ハウスメーカーでもお客様の要望される間取のプランはできますが、それはあくまでも間取図面であって、建築計画図ではありません。間取図と建築家による建築計画とは根本的に違うものです。
*「設計者」と「建築家」の違いは少し古いですが、2012年3月10日のブログ「モコハウスの設計」で書きました。

また、よく気にされる竣工後のアフターフォローの問題ですが、あるお客様はメーカーによっては30年保証をしてくれるなどと仰っておられましたが、定期的に有料のメンテナンスをすればの話で、無条件かつ無償で保証してくれる訳ではありません。

極論ですが、仮に30年間何かあればいつでも面倒見てもらえると思って、精神的(身体的ではない)に安心し、かつ決められたメンテナンスを実行し30年、40年間無事に過ごせたとしても次世代省エネ基準(当地域でのQ値2.7W/㎡・K)をかろうじてクリアしている程度のハウスメーカーの性能では、建物自体が無事であっても、30年後には相対的な基本性能の低下のため身体的に住ずらく(購入者の高齢化による暑さ寒さ)解体して建て替えるはめになるかもしれないことは想像に難くありません。
建て替えを喚起し、自ら建てた家の新陳代謝をはからなければ、メーカーの大きな工場は維持できなくなり存続していくことができなくなるとも言えます。

寿命に関していうと、現在の品質基準の木造住宅はまじめに作り込まれていれば、定期的に有料メンテ契約など結ばなくても、15~20年程後に外装のメンテナンスをしっかりとやれば、製品関係は別として基本的には何もしなくても十分に維持できます。
我田引水になりますが、モコハウスのように外断熱仕様かつ高性能な断熱気密性能を持つ住宅は理論的にも実際的にも躯体内結露等の発生などなく、つまり構造体が腐朽菌に侵されることなど考えられないので、建物の耐久性は30年40年どころではありません。60年70年先の事は推測の域に入るので保証できませんが、理論上は充分に残るはずです。

また仮に、何十年先にメンテナンスを実行するにしても木造在来工法であれば、普通の大工さんや一般的な関連業種(屋根・外壁・躯体・内装etc)でメンテナンスすることが可能です。対してプレハブの場合は工法とか使用材に汎用性のない専用パーツを使用しているため、そのメーカーが存続していなければメンテができなくなりますし、仮に会社が存続していたとしてもメンテナンスはそのメーカーに縛られることになります。(各社による見積の自由さがない)

先にも書きましたが、ブランド力や大手メーカーゆえの安心感があるにしても、大量生産を基本とするハウスメーカーと、我々のように性能も含め一軒ずつお客様の仰るご希望を設計者がヒアリングし精神的にも踏み込んでプランニングする住宅では根本的お客様に与える満足度は必然的に異なります。
また、費用においても同等性能の住宅を建築すると仮定すると、発注システム上、また経費の関係上、間違いなくメーカーの方が高くつきますし、先の理由から施工不可能な場合が多いと思います。

上記ダラダラと書いてしまいましたが、このあたりがメーカーと工務店の違いなのですが、それを横において会社の大きさだけで比較されてしますとどう説明してよいか戸惑うことがあります。
後は、理論的(実際的)な安心と、心理的な安心の違いなのでご説明のむつかしいところではありあます。

最後になりましたが、内容の違いが理解できたとして、実際問題一番の難問は素人の方が世間に数ある工務店の中から、どうやって安心できる工務店を探しだすかということが最大の課題ということになります。工務店間にばらつきがあることも確かですから。

2014年4月29日 (火)

住宅の本当の価値とは

モデルハウスにご来場のお客様から、モコハウスの「デザイン」についてのご質問を受けることはよくあります。また「素材」についてのご質問を受けることもよくあります。

でもどの程度の「断熱・気密性能」(数値)を持っているのかを、具体的に聞かれることはほとんどありません。

モコハウスの「良い住宅」・「価値のある住宅」作りの理念は、①人が普遍的に美しいと感じる建築デザイン・インテリアデザイン、②人の健康を考えた仕上げ素材、③住む人が極寒の冬の寒さから、酷暑の夏の暑さから解放されのびのび過ごすことのできる温度環境を作るに足りる断熱・気密性能の維持。
この3点を妥協することなく、高次元で融合させた住宅です。

①のデザインや②の建築素材については色々な住宅雑誌や、他の住宅会社においても云々されているので、ご来場のお客様でも関心とある程度の知識をお持ちになっています。
ただ、③の断熱気密性についての具体的な知識をお持ちのお客様はほとんどおられません。

一般に住宅性能が認知されていない理由は、このブログで何度も書いていますが、住宅業界をリードすべき立場にある大手ハウスメーカーが性能アップはコストアップ(販売に影響する)につながることから手を付けない、また行政サイドが無責任に放置していること等々が挙げられます。

①のデザインに関しては各人各様好みの問題があり、②の素材は全てが自然素材でなくても耐えれないことはない。でも③に関しては猛暑の不快さやそれに伴う熱中症、極寒時の各部屋間の温度差によるヒートショック問題など、生死にまでも影響を与えることがあります。
例え、死までには至らなくても、冬期快適に暖房しているリビングから一歩出て寒い廊下を歩き、また寒い寝室やトイレ、お風呂に行くときの不快な温度差。
夏期快適に冷房しているリビングから一歩外に出るとムッとする暑さや、2階に上がった時に噴きだす汗。
とても不快なことです。

こんな不快な生活を解消できる住宅を建てることができるのに、今から何十年に渡ってローンを払い続けなければならない住宅を新築するにあたって、性能に関心を持たず相変わらず性能を持たない家を建てるというのは考えられない話です。

今後何十年に渡り、家が存在する限り、夏と冬の不快さに耐え続けなければならない・・。
今からわざわざそんな家を新築する・・・冗談のような話です。
これではあまりにもローンを支払い続ける住宅購入者が気の毒すぎます。
国交省・経産省などは安易に太陽光発電ばかり推奨していないで、もっと国民が心身ともに快適な生活ができるような住宅行政を推進すべきだと思います。
今度改正された「外皮性能・設備性能を加味した1次エネルギー消費量基準」は設備機器類にも頼ることができるので、純粋には住宅性能の向上から、むしろ後退してしまったたと言えます。
想像ですが、今回の基準改正は住宅性能に目を向けたくない大手ハウスメーカーや、各機器設備メーカーの省庁へのロビー活動の成果なのではと思わざるを得ません。

モデルハウスにご来場されたお客様には、断熱・気密性能性能の重要さについてはしっかりご説明するのですが、モコハウスのように小さな会社では広く世間に、住宅性能のあり方を広めていくには力不足というのが現状です。

住宅性能について、広く知ってもらうためには、新聞・テレビなどのマスコミに取り上げられるのが効果的なのですが、マスコミも太陽光には関心があっても高性能住宅には関心がありません。

数年前、モコハウス施工のトーマス邸が30分のテレビ番組で放映されましたが、プロデューサーの関心はあくまでもスウェーデン人建築家とか、北欧インテリアとか北欧デザインなど目に見えるものばかりで、断熱・気密性能など目に見えないものには残念ながら関心を示しませんでした。あの吹抜けの大きな空間を1台のエアコンで快適に空調しているのにです。
(スポンサーが関西電力だったので少しはエネルギー問題に関心をし示してくれてもよかったのにと思います。東北地方の震災前だったけど)

私は、所要の室数があって、雨風を凌ぐだけの性能を持たない住宅は、「住宅としての価値」がないといっても過言ではないと思っています。

家中どこに行っても温度差のない家。
この快適さは残念ですが、住んでみないと解りません。
言っている快適さの意味も、イマイチよくご理解頂けないかもしれません。

でも、繰り返します。『性能のない家に本当の家の価値はない。』

これがモコハウスの信念です。

お客様からよくご質問のある、モコハウスのデザインについては次回に。

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