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2011年2月 7日 (月)

計画換気と隙間風・自然換気の違い

建物に適当な隙間があると(計画)換気の必要がないのでは?と言うお考えをお持ちの方がおられるかも知れません。
あるいは、気流があるので1台の空調機からの温・冷熱が各室に届くのではないかと言うようなお考えをお持ちの方もおられるようです。

それらは全て違います。

先ず、次世代省エネ基準・Ⅳ地域(長野県以南)の隙間相当面積C値=5.0c㎡/㎡を基にお話します。当地域の実態的なC値は、5.0以上の住宅が多いとは思いますが、それらは論外なので対象から外します。

それでは、隙間相当面積:C値=5.0の場合、その隙間風の量は具体的にはどれくらいかと言うと、日本の平均風速を4m/秒とすると、それは建物全体の空気を1時間に0.5回入れ替えるのに相当する量と換算できます。

ここで参考までにその隙間風が暖房時に一体どれくらいの熱を損失するのかと言う計算をして見ます。
モコハウスの場合のロフトを含めた延べ床面積39坪の住宅を例に取ると、その建物の空気の体積は≒340㎥ほどになります。そして冬の設定した室温と外気温度の差を20℃(=20K)と仮定します。因みに空気の温度を1℃上げるために必要な熱量は0.00035kWです。  (*これは空気の容積比熱と言い0.35W/㎥K)

この仮定で計算すると隙間風のために建物が失う熱量は、
0.00035kW/㎥K×340㎥×0.5(回)×20K=1.19kW/h、すなわち毎時1.19kW(金額換算で1時間当たり≒28円)の熱を逃がして(損失して)いることになるのです。

本題に戻り、隙間があれば換気の必要がないのでは・・・という疑問に関してですが、その隙間風が室内を通過する時の平均速度は毎秒1cm程度しかありません。
加えて、風の吹く向きは常に一方向ではないので、室内に浮遊するハウスダストや人体から出る炭酸ガスは室内で右往左往するだけで、部分的にしか空気の入れ替わりはありません。
つまり、隙間風では室内空気を清浄にする事が出来ず、隙間風=(計画)換気とはならないことになるのです。

肝心な事は、建物の気密性を高めて(隙間をなくし)方向の定まらない隙間風の影響を受けることなく、新鮮な空気を決められた入口から採り入れ、決められた出口へ排出させることなのです。
つまり、常に一定の換気気流を作りその気流に乗せて、知らず知らずの内に汚染空気を排出する。これが正しい換気=計画換気なのです。

繰り返しますが、正しい換気には気密性能が絶対的に必要となってくるのです。
因みにモコハウスではⅣ地域基準の50分の1、つまりC値:0.1c㎡/㎡と言う驚異的な数値を持っています。
これは換気のみならず冷暖房効果を高め省エネを図る上でも重要な役割を果たしている事は言うまでもありません。

最後に1台の空調機から発生するの温・冷熱を、換気の気流に乗せて「熱の移動」が図れないのかというご質問ですが、0.5回/時の計画換気の量では、給気から排気まで≒2時間も要することになるので、とても熱を運ぶと言う効果は期待できません。
熱を運ぶには、エアコンの気流をイメージしていただければ解りやすいかと思います。

又、熱の移動気流を作るほどの換気をすれば、折角暖めた、または冷やした空気を家に貯めることなく排出してしまうことになる事がお解かりいただけると思います。
要するにモコハウスの目的とする計画換気と、熱の移動とは別物と考えるべきです。

*0.5回の計画換気の起こす気流の速度は先に書いたように、1cm/秒程度でなので人体に気流を感じる事はありません。
人体が感じる体感気流は12cm/秒です。

 

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